【妄想で前を向く人】

腐臭の漂う事業欲はあるが、金銭欲や物欲はほとんどない。

「ポルシェってなんだよ、車なんて前に走ったら何でもいいだろうが。なんで2000万する時計つけるの？パテックフィリップ？時を計るんですよね？カシオの2000円の時計でよくないか？W-735H-1AJFとかバイブレーションアラーム機能があって、1時間毎に振動してくれるからタイムマネジメント的には最高だぞ。当然、衣服はいつも無印とユニクロのミルフィーユだ。」

そんなS字に曲がった性格と価値観と背骨で生きている。そして、ここ数年は普通に仕事して普通に寝るだけの毎日に満足している。ビート板みたいに日常に流されてゆくのも気持ちいい。

しかし、今日、それが変わる兆しが見えた。りそな銀行で税金の還付の手続きしてるときに、自分の預貯金をスマホでぼーっと眺めていて、

「このmoney treeの預貯金合計額が30億とかだったら、こんな生活はしてねぇだろうな。。」

とふと思ってしまった。そして、脳内で自分を詰めはじめる。

「というか、自分が普通と思い込んでいる毎日、幸せと思いこんでいる日常の外にはもっと可能性があるんじゃないのか？車なんてなんでもいいって、自分を洗脳してるだけで、実はお前、事業につかえないほど無限に金あったら真っ白のポルシェ(911Carrera) 乗るだろうがよ。」

「それにやっぱり、もっともっと余剰資産があったらたまに夜襲ってくる漠然とした不安がなくなって、もっと心穏やかな生活になるんじゃないのか？ジェットバスと露天風呂とサウナがある家に住んでたら自律神経が整ってよい毎日だろ？冷え性も完治だわ。」

「その前に、もっと日当たりのよいおしゃれなオフィスを構えて、優秀なスタッフをみつけたいよな？今で十分満ち足りていると思いながら、どっか自分で壁を作っちゃってんじゃねーの？というか、お前まだまだゴミクズだからな？吹けば飛ぶからな？鳥肌立つほどすごい人山ほどいるのも知ってるよな？守るべき家族もいるんだし、自分の狭い世界で完結して勝手に満ち足りた気持ちになってんじゃねーよ」

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つまり想像力・妄想力が欠けていた。

「普通に幸せだし、仕事もまぁなんとかなってきた気がするし」みたいなぬるい満足感はよい日常を送るために欠かせないが、それが続くと変化のきっかけがなかなかつかめなくなる。

僕みたいな人間は、今の状況に囚われず未来を自由に妄想し、今との差分をきちんと認識することで、モチベーションとか欲がでてきて、前に進めるんだろうな。欲求不満すぎるのもよくないが、きちんと適切な欲をもつことは有用なんだな。当たり前か。

さっき嫁に話したらさ、

「身の丈にあった幸せがあると思うの。今で十分幸せだし、別に焦らなくていいんじゃない？」

って言われました。

そうだよねー！！！！